

タクシーの仕事とか運転だけで難しいこともないし、ずっと座ってられるから楽そうだな。

とんでもない!
タクシーの仕事は気を付けなきゃいけないことは多いし頭は使うし、狭い道やら複雑な道やら色んな道を通るので、高度な運転技術は必要になってくるし、思ってる以上に大変よ!

そ、そうなの?

今回は実際にタクシーの仕事をした人にしかわからない苦労やあるあるを6個紹介していくから、最後まで読んでね。
私も始める前までは、運転さえできれば誰でもできるだろうと、タクシーの仕事を舐めていました。
しかしいざやってみると、大変なことが色々出てきます。
これからタクシーを始める方や、タクシーの仕事をしたい方は参考にしてみてください。
1,道を覚えるのが大変

まずはやはりこれ。
お客さんを乗せてる時は「大体」とか「なんとなく」で走るわけにはいかず、完璧に覚えなきゃいけないし間違えちゃいけないというプレッシャーも常にあるので、難易度が上がります。
あとは毎回スタート地点と目的地が違うことが、仕事を複雑にします。
目的地が知っている場所でも、スタート地点が変われば当然走るルートが変わります。
なんなら道が一本変わるだけで最善と思われるルートが変わってくるので、いざ走るとなると結構混乱することが多いです。
例えば東京駅に行くにも、千葉駅から行くのと横浜駅から行くのとは全然走る道が違うわけで、それと同じことをタクシードライバーは毎回することになります。
その場で目的地を言われて、即座に今いる場所と周辺情報を整理して最短ルートを見つけるというのは、思ってる以上に難しいです。
それに加えてその日の渋滞状況や道路工事やらも頭に入れておかなければいけません。
道を覚えるのと同時に、道の走り方も把握しとかないといけないので、かなり難易度は高いです。
だから「最短距離で」と言われるのは困るんです。
タクシードライバーは基本的に最速最短で送迎したいので、最短距離なんかこっちが知りたいです。
最短距離と言われても、距離を最短にしたいのか、値段を最小にしたいのかってことも考えるし、運転手を迷わすフレーズです。
目的地を言われたら、場所はあそこで、ルートはここ通ればいいか、こっちの方が近いかなとか頭の中でシミュレーションするんですけど、その最中に「知らないの?」とか言われたりしますが、今考えてるからって感じです。
AIでもそんな早くルート作成できないぞと、気持ち的には言ってやりたいです。
道を間違えた時に客から叱責を受ける。それ自体は仕方ないと思います。ミスはミスだから。
ただ誰でもできると思ったら大間違いだぞ、というのは言っておきたいです。

これはどんなに説明しても、タクシーやったことない人には伝わりづらいだろうね
2,接客が大変

最短ルートを見つけるのは難しいって話をしましたけど、難しいからこそ運転手はルート確認をします。
これは会社のルールとして必ずやるようにと言われてる所も多いかと思います。
私がいた会社でもルールではなかったですが、なるべくやった方がいいと言われてました。ただこれを嫌がるお客さんも少なくないです。
それでいて「急いで」とか「最短距離で」とか言われると、それを確認するためにルート聞いてるんだけどって思ってしまいます。
「急いで」とか言われると、その時点でルート確認が雰囲気的にできなくなるので、トラブルにもなりやすいです。
運転手からの確認は必要だからしてるわけで、それをないがしろにすると自分が損することになると、客側も認識した方がいいですね。
それでもルート確認されるのが面倒なら、遠回りされるのも覚悟のうえで「お任せで」と言って下さい。
ルート確認しても嫌がられるし、ルート確認しなければトラブルになりがちというように、どっちを選んでもクレームになるみたいな場面がタクシーでは多くて、毎回お客さんの雰囲気や空気を読んでというのは試行錯誤してました。
※ちなみに…
タクシーというのは接客業じゃなく運送業です。
これは法律的にも定められてることで、タクシーの仕事はお客さんを安全に確実に目的地に送り届けることで、必要以上のおもてなしや接客を求められるのは健全とは言えません。
もちろん丁寧に接客されるのは素晴らしいし、他のタクシーとの差別化もできますけど、客側がそれを当たり前に求めるのは間違っています。
実際タクシー協会の人からも、会社の人からも「愛想良く接客する必要はない」と最初に言われます。

だから普通でいいのよ。普通に挨拶して、普通に敬語で話して、普通に目的地聞いて、普通にルート確認して、普通に送り届ける。それで十分!
3,タクシードライバーに味方はいない

タクシーセンターもタクシー会社も、さらには無線の受付も、とりあえず面倒事は全部現場の乗務員に丸投げするってスタンスなので、ドライバーの負担が大きいし頼れるところはないというのが実情としてあります。
お客さんからの罵詈雑言は一身に受けることになるし、クレーム対応まで自分でこなさなければいけません。
色んな所で問題を起こすクレーマーや無賃乗車する奴すら後日普通に配車されるので、ドライバーはその度に大きなストレスに晒されます。
面倒事が降りかかるのは全部現場の乗務員なので、そのストレスを受け流されるようにならないと続けていけません。
傲慢で態度の悪いドライバーの話をよく聞きますが、それも自己防衛のためなのかなと思います。
タクシー協会や会社は一切守ってくれないし、全部自分で解決しなきゃいけないので、自分を守るためには下手に出るわけにいかない、舐められるわけにはいかない、みたいなことがあるのかもしれません。

だからって関係ないお客さんに八つ当たりするのはダメよね
4,道路は危険がいっぱい

タクシーは長時間運転しているので、その中で色んな車や歩行者を見ますが、危ない動きをしてる人が非常に多いです。
車で言うと、よく言われるウインカー出さない問題。
車が曲がる時は当然方向指示器を点滅させるんですが、これをしない車が本当に多い!
曲がる直前に点けるとか、曲がりながら点けるとか、最後まで点けないとか、よく見ます。あとブレーキ踏んだ後にウインカー点けるのも危険です。
ウインカー問題だけでなく、他にも危険運転している人がわんさかいるので、タクシードライバーとしては肝を増やす場面も少なくなかったです。
あとは歩行者も危ないです。
横断歩道のない車道を車が来てるのに平気で横切っていくし、赤信号でものんびり渡ってるし、交通ルールを守らない歩行者が非常に多いです。
そしてこういう歩行者を轢いたとしても運転手が悪いとなってしまうので、こちらも気が気じゃないです。
道路には事故を起こす要素が溢れています。
タクシーには会社からの無線用と、タクシーGOのアプリ用の二つのナビが備え付けられていて、その両方に気を配りつつ、タクシー拾おうとしてる人を探しつつ、その上で危険な車や歩行者に注意しなくてはいけないということで、タクシーは見るべきところが非常に多いです。
お客さん乗せてれば、当然そっちも気にしないといけません。
なので運転するだけなら楽と思ってるなら、その認識は大間違いで、タクシーは普通に運転するより遥かに気を付けることが多いです。

危険な運転する人や、危険な歩行者って確かに多いよなぁ…
5,ナビがポンコツすぎる

ナビが二つ付いてるって話をしましたが、無線用のナビは走行中の動きがカクカクとしてて、とても使い物になりません。
なのでナビを使う際はタクシーGOのナビを使うんですけど、これもまた使いづらい。
タクシーGOの方は定期的にアップロードしてるので今は改善されてるかもしれませんが、私がやってた時はポンコツでした。
どのナビでもありがちな話だけど、結構遠回りさせることが多いです。
タクシーでそれは致命的なのでナビを打ってもすぐには出発できず、ルートを一通り確認してからになるので面倒だし、客側もストレスでしょう。
あとは車両進入禁止の道を案内することも多かったです。
ナビに従って車両進入禁止の道に入り、車を傷つけるドライバーがうちの会社でも多発していました。
お客さんのクレームの中で「ナビ通りに走ってくれなかった」という声を聞くけど、多分それは運転手がナビを信用してないからだろうと思います。

タクシーにナビは必須なんだけどねぇ…
6,体がしんどい

タクシードライバーは隔勤の場合は一日に2,300㎞は走るので、単純に体がしんどいです。
目やら腰やら足やらにダメージがきます。
狭い車内にずっといると体がおかしくなるので、こまめな休憩とストレッチは欠かせません。
私の場合は腰は痛めなかったけど、右ひざと右足首にダメージはきてました。
やはりお客さんを乗せてる時に急発進急ブレーキはできないので、慎重にアクセルやブレーキを踏むから、その影響なんでしょう。
どれだけ滑らかに発進できるか、止まれるかというのをずっと意識してました。
※ちなみに…
タクシーは車が大きいので、単純に運転が大変というのもあります。
定番のタクシーはクラウンコンフォートで横幅もちょっと広いし、前も後ろもかなり出てるので、慣れないうちは車幅の感覚を掴むのに苦労します。
この車で細い路地とかに入っていかなきゃいけないことも多いので、中々大変です。

車をこすったりぶつけたりはタクシーあるあるね
気を付けなきゃいけないけど、やってしまったら切り替えなさい
☆最後に

タクシードライバーの大変なことを紹介していきました。
細かい所を上げるともっとあるけど、主な大変なところはこのくらいです。
タクシードライバーは底辺とか、バカでもできるとか言われるけど、とんでもないです。
確かになるだけならバカでもなれるかもしれませんが、バカでは続けていけないし稼げない仕事です。
この記事を通して、タクシーの仕事が少しでも伝われば幸いです。
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